第4次AIブームである生成AIが出てきてからの技術革新は驚くほど速いペースで進んでいる。そんな中でも世の中ではどういった領域に研究の熱量が向かっているか、どういったシーズが出始めているか、トレンドを自分なりに把握して先読みして自分のポジションを決めることがより一層大切になってきているように感じる。
ということで、2026年に行われるAI研究開発/トレンドがどうなるかの予想をしてみる。
Reasoningの登場のようなレベルの技術的なBreak throughが起こってくるのかはあんまり思いつかない。
Contents
AI Agent関係
オフィス系のタスク適用
Github Copilotから始まりCursor, Devin、そしてClaude Codeの登場と、これまでLLM活用は特にCoding Agentが先を走ってきていた。そして、いろんな業種がなくなると言われたりする中でも、エンジニアの開発フローが最初に変わって来ている。今後もその動きは続きつつも、それがさらに一般のホワイトワーカーが使うツールに落ちてくることになると思う。
具体的には、Word, Excel, Powerpointといったオフィス系のソフトウェアに対してAI AgentがよりNativeに組み込まれるようになってくる。
既存の動きとしては、Excelに関してはClaude in Excelという形でExcelのAddinとして自然言語で様々な表計算を自動でできるツールがリリースされたりしている。
資料作成業務に関しては、ManusやGensparkなどがWeb SlideをつくるAgentをリリースしている他、Googleの nano banana proが画像生成モデルなのに複雑なスライドを1発出力できることが話題になったりしていた(事例)。
最近発表されたClaude SkillsでもPre-built Agent Skillsとして提供されているのはオフィス系の資料作成Skillが紹介されていたりする。

今後は、オフィス系ファイルの読み込み・作成に対してLLMの学習レベルから工夫されたり、プロダクトのUXレベルで1から作り直されることでより”Native”な形で入り込んでくるようになると思う。Cursorのように、プロダクトとして一体型のように使えるWord, Excel, Powerpoint互換のソフトウェアがでてくるのか、既存のWord, Excel, PowerpointにたいしてPluginっぽく入ってくるのか、、、両方の動きが活発に出てくると思う。
Long Horizon Taskへのトレンドは続く
“Prompt Engineering”から”Context Engineering” へと技術開発スコープが広がった2025年。Context Managementの技術は進展し、LLM自体もさらに扱えるContext長が長くなり、AI Agentの活動可能時間もさらに長くなる。

https://metr.org/blog/2025-03-19-measuring-ai-ability-to-complete-long-tasks/ より
トレンドとしては7ヶ月ごとに2倍の長さの所要時間が必要なタスクが解けるようになっているとのこと。
最近ALE-Agentは最適化プログラミングコンテストにおいて4時間というコンテスト時間おけるCoding taskにおいて優勝をしたが、このトレンドがそのまま続いていくと考えるのが自然で、専門家が数日かけてやるようなタスクも自律的に解いていけるようになる。
Kaggleなどの数カ月レベルのコンペにおいても、AI活用をより上手にした人が上位に行けるという形で戦い方も変わってくるのではないか。
AI Agent LayerでのPlatform標準化競争
GPTsから始まって、MCP、Claude Skillなど、アプリケーション層でPluginする形でAI Agentの挙動をカスタマイズ(専門家)させていく技術の標準化競争が進んでいる。
この標準化競争を抑えられるかは、スマホで言うところのアプリに相当し、Google PlayやApple App Storeがスマホ領域の収益の入口を抑えたのと同じくらい重要になってくると思う。
別の味方としては、ソースコードPlatformのgithub、モデルやデータセットなどのPlatformとしてのhuggingfaceに続く次のplatformとしてAgent layerのapp platformが戦場になる。MCPに関しては存在するMCP serverをまとめたものとして、github MCP RegistryやCursor registry、MCP Marketなどなど多数存在してすでに密なフィールドになっていて、MastraはMCP registry registryを公開するほどになっている。。。
少しトピックを変えて、ChatGPT interfaceからの収益化は徐々に始まってくるのではないか?広告と絡んでくるような連携など。
業務特化ユースケースの学習/改善
Frontier Modelを使う際に、Datasetをたくさん作成してLLMのWeightを学習させていく形とは別の形で、過去(オフライン)や今取り組んでいるタスクの試行錯誤(オンライン)からナレッジなりルールなりを構築する形で”学習”をおこなって精度向上させていくのが2026年のひとつのトレンドになるのではないかと思う。
ALE-Agentで、オンラインナレッジを作りながら次の方策を考えていく例
https://sakanaai.github.io/fishylene-ahc058/
モデル開発
2025年はReasoning Modelに加えてAgentic Foundation Modelが流行った年であったと思う。特にweb searchのさせ方を学習レベルで学んでいくDeep Researchが面白かった。こういったトレンドが来ていることは2025年4月に少し触れていた。
こういった新しいことをするようなBreak throughが起こってくるのかはあんまり思いつかない。
今年の一つのトレンドとしてContext managementまでモデルの学習に組み込んでLong horizon task解かせる研究が進むのかなぁ?年末から一気に研究が出始めている様子。
- https://www.primeintellect.ai/blog/rlm
- https://huggingface.co/papers/2512.13564
- https://huggingface.co/papers/2512.12967
- https://huggingface.co/papers/2512.17220
- https://huggingface.co/papers/2512.23959
より長期なトレンド、大きな目標としてのAGIの実現のための研究として、Karpathy (岡野原さんのまとめ)やIlya (岡野原さんのまとめ)が語っていた内容として、次世代の研究トレンドとしてはSample efficientな学習・価値関数を自分自身で動的に変える学習といったものが挙げられていた。こういった第4次ブームの中で戦うのではなく更に次の第5, 6次ブームを起こすレベルのインパクトを狙う研究というのは2026のトレンドではなく、2-5年スパンの中長期的な研究として成果が出てくると個人的には予想。